シロアリによる被害の修繕

◆シロアリ被害の状況確認

白山市内某所で、

「シロアリの食害で敷居がブカブカになっているので直してほしい」

という依頼をいただきました。


現地に行くと、田の字型の古民家で、すでに畳が数枚めくられています。

家主の奥様が、怖くなって畳をめくってみたそうです。

なかなかにパワフルな奥様ですが、

肝心の床下にはアクセスできなかったようで、

隙間にガムテープが貼ってあったり、市販の薬を撒いたりしてみたそうです。

早速、下地板を切り抜き、防蟻のプロにチェックに入ってもらいました。


現在活きている蟻道は見当たらないようすが、数カ所蟻道が確認できました。

所々ですが、大引きや下地板、畳も食べられているようです。


◆シロアリ被害の修繕

お客様から気味が悪いので、食べられていない畳や下地板も含めて、

交換修理してほしいとのご要望を頂いたので、

日を改めて工事に入りました。


最近の畳下地は4分(12ミリ)の下地板が主流になっていますが、

5分(15ミリ)の板が使われていました。

たった3ミリですが、持った時の重みや剛性が全く違います。


とはいえ、古い家では根太や大引き(床を支える骨組み)の間隔が広いので、

歩いた感じ頑丈かといえば、そうとは限らないのが難しいところです。


一番食べられていた、書院の敷居を支える大引きです。

切り取って交換するほかどうしようもない状況でした。


◆シロアリ被害の再発防止処理+お引渡し

防蟻処理は、プロに木部+土壌に、防蟻剤を塗布してもらいました。

プロの処置にプラスして、フクビ社の『アリダンサンドW』を土壌に散布しました。

防蟻処理後には、15ミリの下地板と畳を新規に仕上げ、お客様にお渡しし、工事を終了しました。


◆シロアリの侵入を防ぐには

シロアリは、様々な場所から侵入してきますので、古民家であれば侵入を食い止めるのは困難です。

注意しなければいけない点としては「乾燥の徹底」「餌を与えない」が挙げられます。


実際には

・基礎の風窓をふさがない(床下を十分に乾燥させる)

・建物周囲に密着するような植物を植えない(床下の乾燥を妨げない)

・基礎内や建物周囲に古材を置かない(シロアリをおびき寄せる餌を置かない)

こういった場所を重点的に見直して頂きたいです。


昔は古民家を長持ちさせるために、年に数回畳と下地板を上げて、床下や畳を乾燥させていたそうですが、現在はこういった風習を見ることは稀です。新築住宅であれば、床下に防湿シートや土間コンクリートを施工しているため、湿気は上がりにくくなっています。住んでいる家に合わせたメンテナンスを心がけていきたいですね。

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