床のリフォーム(なんぶこども医院様)
白山市のなんぶこども医院様から、
診察室の床がブカブカするから直してほしい
併設する自宅の玄関もブカブカするから一緒に直してほしい
と依頼がありました。
事前に頂いた図面では、床暖房のためにPEXチューブを埋設したシンダーコンクリートを打設し、上にモルタル金コテ仕上で平滑にして、2.8ミリの長尺シートにて仕上げてあるとのことでした。
しかし、床を見せて頂くと、どう見ても木下地による床組みで、ベニアのジョイント部分がへたっています。図面と現場に食い違いがあるようです。
診察室床修繕工事の手順
- 床仕上げ、下地ベニアの撤去
- 床下地の補強
- 床下地ベニアの復旧
- 床仕上げ材の施工
この順で説明していきます。
木曜日の休診日に合わせて工事に入る段取りをして、いざ工事開始です。
1.床仕上げ、下地ベニアの撤去
説明していきますと言いながら、一緒に作業をしていたため、作業中の写真を撮り忘れました!
ということで、撤去後の写真です。
店舗建築の場合、お客様に気軽に来店してもらうため、階段を設けずに入れるように設計します。そのため、床の構造をコンクリート土間にするか、今回のように木下地で床下を低くする場合が多いです。強度はコンクリートの方がありますが、従業員の足腰の疲労感が全然違うので、立ちっぱなしで仕事をされる場合は木下地の床をお勧めします。写真のように、配線や配管スペースを確保できる場合もあります。コンクリートの場合、こんな簡単には配管にアクセスできません。
2.床下地の補強
床下地の細長い材料を「根太(ねだ)」と言います。現場では、「床垂木(ゆかたるき)」と呼んだりもします。上の写真の状態では、根太の間隔が303mm(30.3cm)です。この間に人が乗ることでベニアのジョイント部分がたわみ、これが繰り返されることでベニアの接着剤が負けてブカブカすることになります。
つまり、たわまなくすれば、ブカブカすることは無いはずです。
ちなみに、10年ほど前から1枚のベニアで下地とすることはあまりありません。2枚のベニアをジョイントが千鳥になるように張ることで、経年による劣化を低減しています。
そこで、このように303mmの間にもう一本根太を追加しました。根太間隔は151.5mm(15.15cm)です。パッと見た感じ簡単そうに見えますが、実際はそう簡単ではありません。なぜなら、現状の根太の高さは約40mmで、補強に持ってきた根太の高さが45mmだからです。5mm大きいものを、隙間に入れていかなければいけなくなったのです。
弊社社長曰く、
昔は生木を使っていたから、当時45mmの根太が現在約40mmに乾燥収縮したのではないか
とのことでした。1割も小さくなるんですね!
根太を削って40mmにすれば入りますが、材料を小さくすると強度が下がるため、できれば45mmのまま使いたいのです。そこで、写真のように大引き(根太の下の材料)の方を削ります。ノミという刃物でコツコツと削っていきます。
補強の意味も込めて、新旧のベニアを根太でつなぎ止めます。そのために、古い方のベニアもビスが打てるように床材を剥がしてあります。
3.床下地ベニアの復旧
次は、根太の上に、剥がしたベニアの大きさに切った新しいベニアを止めていきます。
使ったものは、ラワンべニアの12mm厚です。
これで、大工工事は完了しました。次は、床仕上げの職人が入ります。
4.床仕上げ材の施工
床材のボンドが強力で、剥がすときにベニアの上層部を持ち上げてしまっています。
パテで均(なら)します。
気温が低いため、なかなか乾かず、ドライヤーを使用しました。乾いたら、ペーパーサンダーで擦ってパテを平滑に仕上げます。
次は、ビスを打った場所のバリを取り、ボンドを塗ります。
櫛目のヘラで均一に塗布し、オープンタイムが経過するのを待ちます。オープンタイムとは、接着剤の強度を増すために、半乾きの状態にする待ち時間のことです。ゴム系の接着剤の場合によく耳にします。
次はいよいよ仕上げ材を貼っていきます。復旧する場所の形状に合わせて切っていくのですが、職人の早業で、写真に収めることができませんでした。フック刃という刃物とカッター、金定規、円錐形の圧着ローラーを駆使して、あれよあれよという間に貼り終わっていました。
次は、U字型の刃物でひっかく様にして溝を付けていきます。
そこに、「溶接棒」を溶かしながら埋め込んでいき...
余った部分を切除したら、床仕上げ工事の完成です。
今回使用した仕上げ材は、
田島ルーフィング株式会社 ACフロア28クラシックマーブル AC-2214-28
という商品です。トップページ以外へのリンクは不可らしいので、商品を見たい場合は
https://tajima.jp/flooring/u_manity_28/classic_marble_tone.html
にアクセスしてください。
既存の床と柄はほぼ同じですが、色味が明るいですね。施工面積は1㎡前後なのですが、部屋が明るく感じます。もしかしたら、既存の床もこれくらい白かったのかも…さすがにそこまでは汚れないかな?定期的にワックスを塗布していると、多少の着色はあるかもしれません。
作業時間は、9時ごろから間にお昼休憩をはさんで、3時半ごろまででした。
小児科の床修繕工事を解説してきました。
なんか床がブカブカするけど、どこに相談したらいいかわからない。
生活には支障が無いけど、気持ちが悪い症状がある。
小さいことだけど、家を長持ちさせるために相談したい。
こういうことは、意外とあちこちで出てくると思います。
そんな時には、弊社にお声かけ頂ければ全力でサポートいたします。
自宅の方の床は、基礎伏図で基礎が無いはずの場所に基礎があり、補強を行うことができませんでした。後日、改めて床下点検口を作って補強に挑む予定です。
今回の工事については、ここまでです。
最後まで見て頂き、ありがとうございました!
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