見積比較サイトから見積依頼が来ました
弊社と全く縁のない「イエカラーズ」という会社からFAXが届きました。実は、不定期に見積依頼が届いています。弊社は工事項目として塗装工事も請け負うことがありますが、塗装の専門業者ではありません。
本内容よりも、良いご提案をいただける会社様を探しております。
よく見たら、見積もり依頼ではなく対応可否の返信待ちですね。
とはいえ、現状も現場も提案している仕様もわからないので、提案の仕様がありません。
誰かが頑張って作った見積もりだろうに、釣りに使われて可哀そうに・・・
どんな会社なのかな?と思い、ググってみたところ、施工業者からは結構な叩かれ方をしているようです。施主目線で言えば、見積を比較できるので「安くできた!」という満足度が高いようです。
施工業者が叩く理由
既製品の単価であれば、比較して安いところを探せば相応に見つかります。
しかし、工事の単価はそう容易には比較できません。
例え半日の作業でも、
- 現地下見
- 工事の提案
- 見積作成・提出
- 必要な作業員や資材の確保
- 日程調整
といった工程を踏まえていますので、一日以上動いている場合も往々にしてあります。「作業時間1時間に何でこんなにお金がかかるの?!」と思うことは多々あると思いますが、現場作業だけが仕事ではない為に生じるギャップです。
特に「1.~3.」は、無料で当然と考えているお客様が多く、そこにかかる費用を理解されないことが多いのが「建築業界」と「消費者」の深い溝だと思います。「2.工事の提案」についても、お客様と価値観を共有できないと、「良い提案」なんてできるはずがありません。現地調査の短時間で価値観を共有することは容易ではなく、各企業の価値観で見積もりをするので、見積もりを比較すること自体がとても難しい作業なのです。
お客様の価値観に対してコスパが最大化するように、まじめに考えている人からすれば、FAX一枚で売上の上前だけ取ろうとする(Yahoo!知恵袋では、8~10%を見積比較サイトが請求してくるそうです)こと自体が気持ちのいい行為ではありません。まして写真のように、時間を割いて作った見積もりが他社に比較のために送られて、「1.~2.」の手間を考慮せず他社で見積もりを作られたりすると、ただ働きを強いられているのと同じと考えてしまいます。(イエカラーズでも見積もり無料を謳っているようです。その分の費用を工事代として支払っているので、表現が違うだけですが。)
市場で競争することは必要だと思いますが、上記のように比較が難しいことをサイト上で比較することがナンセンスです。設計事務所や建築関係者の立ち合いの上で相見積もりを取ること以外には比較が成立することができないとすら思います。(建築関係者はゴマンと居ますが、建築全体を俯瞰して設計施工両方の立場から精査できる人材は少数です)
消費者の満足度が高い理由
一銭でも安く買いたい それが人情てもんだ
落語の『壺算』でも言われている通り、少しでも支払いを少なくしたいと考えるのは当然です。
安くなった!という成功体験があれば、満足度が上がることは想像に易いです。
結局、見積もり比較サイトってどうなの?
上記の通り「商品を買う」のと「工事を依頼する」のでは、比較の難度が全く違います。商品であれば、商品名や品番が同じであれば寸分の違いなく(厘の違いはあるかもしれませんが)同じ物が手に入るので、金額を比較するだけです。しかし、工事金額の比較となると、工事内容、職人の熟練度、工事方法の提案力、説明力、アフターフォローの充実度等、見積もりに表現できないことが多すぎるのです。
見積金額を安くするのであれば、素人みたいな人を安い人件費で雇い、機能などどうでもいいからそれらしい物を施工することにすれば可能です。質問サイトでは、仕入れ価格の見直しや人員配置の見直しといった企業努力をせずに見積金額の競争に不平を訴えるのは筋違いだという意見がありました。それは正論ですが、上記のような仕事を望んでいるお客様は居ないでしょうし、企業の理念に反しない範囲で皆がすでに取り組んでいると思います。その中で利益を確保しながら見積金額を落とそうとすると、どこかで歪が生じてしまいます。
見積比較サイトを、合コンのように顔合わせとして利用するのであれば、消費者としては有用ですね。チャランポランな方からしっかりした方まで様々な業者の中から好きな業者に仕事をお願いすれば良いので。業者の選定が玄人でも難しいのは上記の通りですが…
じゃぁ、どうやって比較するのが良いかということですが、
- 建築士事務所に比較検討をお願いする
- 自分で知識を付けてから、一社ごとに見積もり依頼をする
- 知人友人から、信頼できる業者を紹介してもらう
が確実です。
弊社の見積もり
★弊社は建築士事務所登録をしてありますし、設計事務所勤務歴のあるスタッフが精査するので、見積もりを精査することも可能です。
★社長は工務店として長年地元で仕事をしているので、施工方法の良し悪しも判断できます。
以上、見積サイトについて掘り下げてみました。
弊社が参加したことが無いので、あくまでネットで集められる情報から考察しただけですので、当事者から賛否があれば、参考にしつつ考えを改めていきたいと思います。
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